トレンドサプリ ~NMN(エヌエムエヌ)~
⇒「トレンドサプリ」では、話題のサプリについて学術的側面から販売に関する情報をお届けします。
- NMNとは
- NMNの効果
- NMNの安全性
- NMNのターゲット
- NMNの売り方
- NMNサプリを導入するかしないか
- NMNとは
・正式には「Niotinamide Mononucleotide」という名称
・ビタミンB群のナイアシンから体内で合成される
・緑黄色野菜を中心に微量が含まれる
・「老化を司る」と言われる「サーチュイン遺伝子を活性化」させる
・エネルギーを作るNADという補酵素の元になる
・加齢とともにNMN合成能力が低下し、体内量が減少する
NMNやNADなどの存在は以前から知られていましたが、一気に話題となったのはワシントン大学医学部の今井教授による研究がきっかけです。
<今井教授の研究>
NMNをマウスに投与したところ、人間の60代に相当する年齢になっても代謝機能が衰えず、骨格や内臓機能、脂質の状態に加齢変化が認められませんでした。
また、血糖値に関係するインスリン感受性も保たれ、更に目の網膜機能、骨密度、免疫システムについても同様の効果が見られました。
(参考文献)「Cell Metabolism」
<NMNの長期投与はマウスでの加齢による身体的減衰を軽減する>
https://www.cell.com/cell-metabolism/pdfExtended/S1550-4131(16)30495-8
- NMNの効果
<効果が期待されている主な項目>
脂質代謝 / 糖代謝 / 認知機能 / 筋力・骨の維持 / 肝臓などの内臓機能 / 目の機能 / 免疫機能 / その他
上記のように、ヒトの加齢による様々な機能低下に広くNMNは有効である可能性があります。
別の研究では認知機能の回復にも有効であるとの知見も得られており、その成果は今後も広く研究されていく見通しです。
NMNから変換されるNADの作用機序から、NMNの飲用は午前中が望ましいとされています。
- NMNの安全性
NMNのヒトへの投与については、慶應義塾大学の臨床研究でも安全性が確認されています。
今井教授の研究では、ヒトでの摂取目安は1日に100~300mg程度とされています。
・10人の健常な40~60代の日本人に投与
・100、250、500㎎の投与
・経口投与後、約3時間で血中のNMNは消失
・深刻な副作用結果は検出されず
(参考文献)慶應義塾大学 2020年1月21日 プレスリリース
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2020/1/21/200121-1.pdf
<栄養素材の検証に必要な項目>
血中への(吸収) / 作用機序 / 代謝経路 / 体内残存性 / 最終生成物 / 安全性
上記についてしっかりとした研究・報告がなされています。
- NMNのターゲット
NMNのターゲットは中高年層です。
20代30代といった若年層では若さを保つ機能が活発であり、NMN摂取による効果があまり見込めません。
やはりその機能が衰えている中高年層が主要なターゲットとなります。
厳密にはNADと共に働く他の酵素活性もかなり落ちてしまっている70代や80代といった方より、40代~60代くらいが適切ではないかと考えられます。
また、特にNMNが深く関与するサーチュイン遺伝子の一つ、<Sirt1(サーティワン)>の主要な働きである脂質代謝や糖代謝に問題(高脂血症や糖尿病など)のある方は、より注目すべきターゲットとなると考えられます。
(参考文献)埼玉医科大学雑誌
http://www.saitama-med.ac.jp/jsms/vol36/02/jsms36_131_132.pdf
ちなみに抗老化遺伝子である「サーチュイン遺伝子」を活性化するためには、カロリー制限や運動などの方法が知られています。
しかし、これらはある程度の努力が必要でもあり、ハードルの高いものです。
またNMNが必要と考えられるシニア層には、上記手法は本来の健康維持の面からも推奨できません。
その為、中高年層にいわゆる「若返り」を訴求する場合は、NMNの摂取が効率的で健康面にもリスクのない方法と考えられます。
- NMNサプリを導入するかしないか
グーグルトレンドではここしばらく安定した検索がなされており、徐々に右肩上がりの傾向となっています。
市場的にも定着しつつあると考えられます。
また、WEB検索では多くの商品がヒットし、市場の活性度合いが見て取れます。
<NMN導入の検討>
・自社は中高年層をターゲットとしている
・EBS(Evidence Based Supplement)を導入したい
・ラインアップに「抗老化」訴求商品が欲しい
・ベースサプリメントを持ちたい
・他の健康・美容商材とクロスセルできる商材が欲しい
・高単価で売れる商材が欲しい
こういったニーズのある企業であれば、導入を検討する価値があると考えられます。
- NMNの売り方
NMNはその想定効果の範囲が広いことから、「純度99.9%」や「国内原料」などのコピーが最も多くみられ、決定的な差別化に至っていません。
かつてのαリポ酸やコエンザイムQ10のように、「聞くことはあるけど、何にいいのか良くわからない」となりやすい素材と言えます。
<課題点>
・食物由来でない為、産地や生産者などのコンテンツが使えない
・効能が広くあり、絞り込めない
・絞り込めても一般的な認知が低く、表現で謳わないと効能が伝わらない
・まだまだシニア層には説明が必要
・既に競合が多く、レッドオーシャンになりつつある
要するに「素材の差別化が難しい」「効能を伝えられない・認知が行き渡っていない」商品をどのように売るか、というのが主な課題となります。
<対策>
・市場にある競合商品より低価格に設定する
※NMN含有量当たりの単価など
・新客クリエイティブは素材説明より愛用者の声をメインにする
・他社プロモーションの波及効果を捕まえる
・バックエンド商品とし、CRMツールや電話交信によって販売する
・ベースサプリとして位置づけ、既存商品とのセット販売企画を作る
上記の様な点がNMNサプリを販売する施策の例と考えられます。
具体的な施策策定には、各企業の方針や経緯なども関係してくると思われます。
京都サラダでは、各企業様のラインアップを踏まえた商品企画・プロモーションをご案内しています。
ご要望ありましたらお問い合わせください。
<注>
本コンテンツは最近の学術研究を基に作成していますが、効能面その他については未だ研究途上のものであり、その効果を保証するものでは無いことをご了承ください。